新しい上司はフランス人
ここはどこだろう?
なんか建築が中東って感じだな
わかんねぇー、どこだここ
(走り出す俺)
角を右に曲がると海が見えた
どうやら海の近くの街らしい(砂浜も見えた)
(また走り出す)
家の中に入ると「おかえり」の声が
どうやら俺の妹らしい
「お兄ちゃん、ちょっと大変なことになったの」
と慌てて走って家を出てしまった
(追い掛ける俺)
何とか見失わないように追い掛ける
でも追いつくことはできない
しばらく走っているとさっき来た砂浜の角にやってきた<ここだったらさっき来たし道がわかるから追いつけるかも>
角を曲がって砂浜に行くと……いない
どこかの家に入ってしまったのだろう
一番近くの家を訪ねてみる
すると、中からフランス人の女性が出てきた
「こちらに女の子が来ませんでしたか?」
「女の子ねぇ、あなたの妹のこと?(フランス語)」
知っているのか?しかも俺のことまで!
「来たんですね?」
「まぁまぁ、いいから入ってよ!(フランス語)」
何か話しでもあるのだろうか
とにかく中に入る<もしかしたら妹が言っていた【大変なこと】のことかもしれないな>
「何かあったの?」
「何かって……何もないわよ?(フランス語)」
「えっ妹が大変なことが起こったって言ってたけど、それを知ってるわけじゃないのかい?」
「ふ〜ん、そう。大変なことが起きたの……(フランス語)」
「何も知らないみたいだね。じゃあ俺は妹を探してるから、これでノシ」
「せっかくお茶いれたんだから一杯だけでも飲んでいってよ(フランス語)」
仕方ない、一杯だけ……
それにしてもこの女性は俺の何なのであろうか?
俺のことも俺の妹のことも知っている。
もしかしたら、かなり親しい仲なのかもしれない
不愉快な思いをするのも悪かろう
ここは一杯だけ紅茶を飲んで外に出よう
それにしても俺にフランス人の知り合いがいたなんて驚きだ
しかもフランス語を理解してるじゃないかよ
と考えている内に彼女がいなくなっている
遠くからシャワーの音が聞こえてきた
うっそ、なんでシャワーなんて浴びてるんだよ!
まさか恋人だったのか?
俺の恋人はフランス人だったのか?
(慌てて立ち去ろうとする俺)
誰だかもわからないのにさすがにできない
気づかれないように家を出た
家を出ると外は真っ暗だった
「お兄ちゃん、どこに行ってたの?」
家に帰ると妹にそう言われた
「どこって、お前が大変なことが起きたっていうからお前を追いかけて外に出てたんじゃないか。どこに行ってたって聞きたいのはこっちのほうだよ?」
「……」
「どうした?」
「大変なことが起きたのは本当よ。でも私お兄ちゃんにそのこと伝えてないよ!今日は外に出てないし」
…………妹は俺に会うのは朝以来だという。
ではあの時に会った妹は一体誰なのだろうか
また、あのフランス人は誰なのであろうか
「これ」が妹が言っている【大変なこと】なのだ